OTA依存から抜け出す——直販を増やす正しい順番

夕刻の旅館の玄関アプローチ

OTAの手数料は宿泊料金のおよそ1〜2割。予約の大半をOTAに頼る宿にとって、これは人件費に次ぐ規模の固定的な支出になっています。「直販を増やしたい」と考えるのは自然なことです。

ただ、直販強化には順番があります。よくある失敗は、広告や会員制度といった「集客」から始めてしまうこと。受け皿ができていない状態で人を集めても、訪問者は公式サイトを見た後、結局OTAで予約します。手数料を減らすつもりの広告費が、OTAの売上を増やすために働くことすらあるのです。

ステップ1:受け皿——公式サイトが「いちばん詳しい場所」になっているか

直販の起点は、施設名で検索した人を確実に受け止めることです。最低限、次の状態を満たしているかを確認してください。

  • 施設名で検索して、公式サイトがOTAより上に表示される
  • 客室・料理・館内・アクセスの情報が、OTAの掲載より詳しく、写真も新しい
  • スマホで見やすく、どのページからも2タップ以内で予約画面に届く
  • 電話番号・よくある質問など、予約前の不安に答える情報がある

「公式サイトなのにOTAより情報が薄い」状態は珍しくありません。これを直すだけで、集客を一切増やさなくても直販比率は動きます。

ステップ2:条件——公式で予約する理由を作る

情報が揃ったら、次は条件です。同じ部屋・同じ日程なら、公式サイトが最も有利であることを明示します。ベストレート保証、公式限定の特典やプラン、キャンセル条件の優遇——手段は施設の事情に合わせて選べますが、「公式が一番お得」と言い切れる状態を作ることが核心です。OTAのポイント還元まで含めて実質価格で比較されることも忘れてはいけません。

ステップ3:導線——OTAで見つけた人を公式に運ぶ

多くの宿泊客は、OTAで宿を「発見」します。これは悪いことではありません。問題は、発見した人がそのままOTAで予約して終わることです。館内の案内、チェックアウト時の一言、宿泊後のメール、Googleビジネスプロフィールの整備——一度接点を持った人を次回は公式へ運ぶ導線を張ります。リピーターの直販化は、新規集客よりはるかに費用対効果が高い打ち手です。

ステップ4:集客——最後に、検索とAIへの露出を広げる

受け皿・条件・導線が揃って初めて、集客投資が直販として回収できるようになります。エリア名や温泉地名での検索対策(SEO)、地図検索対策(MEO)、そして近年はChatGPTなどのAIに宿を尋ねる利用者も増えており、AIに正しく認識される情報設計(AI検索対策)も露出の一部になっています。ここまで来れば、広告も選択肢に入ります。

順番を守れば、直販は仕組みで増える

直販強化は一発の施策ではなく、受け皿→条件→導線→集客の積み上げです。逆順で進めると投資が漏れ、正順で進めると各ステップが次の効果を高めます。自分の宿がいまどのステップで止まっているかを特定することが、最初の仕事です。

自分の宿がどのステップで止まっているか、診断します

機会損失診断では、安く売り切った日の取り逃し額に加えて、公式サイトとOTAの掲載状況から直販強化の着手点もお示しします。無料・契約の義務はありません。

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